本書を書き終えて、改めて思うことがあります。
私がエコノミストとしてのキャリアを歩み始めたのは、
バブル崩壊から間もない頃でした。
当時、多くの専門家が「失われた10年」という言葉を使い始めていました。
しかし、その10年は20年になり、ついに30年を超えました。
私のキャリアのほぼ全てが、日本経済の停滞期と重なっているのです。
この30年間、私は一貫して日本経済の可能性を信じ、その復活の条件を探求してきました。そして、ようやく確信を持って言えるようになりました。日本経済は復活できる、と。なぜ今、この本を書いたのか。それは、日本経済が大きな転換点を迎えているからです。(中略)
日本経済の未来は、決して暗くありません。正しい政策が実行されれば、経済は成長し、賃金は上がり、生活は豊かになります。人口が減っても、高齢化が進んでも、それは変わりません。
本書のタイトルである「勝算」という言葉には、私の強い思いが込められています。
日本経済には、勝つための条件が揃いつつあります。
あとは、それを実現する意志と行動があるかどうかです。
本書が、皆さんの日本経済に対する見方を変え、日本の未来に希望を持つきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。
令和8年 会田卓司(『日本経済の勝算』あとがき より)